【導入編 5-2】 Bluetooh キーボード「Logicool K810」でリネしてみた

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投稿者 AlbertSteins on 2016年2月6日土曜日 , in , , , , , , , , ,
バックライトを売りにした(でも使わない)「Illuminated Keyboard」を冠する,Logicool の Bluetooth キーボード「K810」を購入.

選考理由を対抗馬となった同社の「K380」と比較しながら解説.

ペアリングや不具合の対処法についても,BUFFALO の Bluetooth アダプタ「BSHSBD04BK」と専用の Motorola 製スタックを使った具体例で紹介.

関連サイト:
まずは選考基準.

特に持ち出す予定はないので,コンパクト過ぎず,かつ机上でどかすのに邪魔にならない程度には大き過ぎず.
現在のメイン機 Dell の Ultrabook「XPS13」にサイズとキー配列ができるだけ近いのが望ましい.
テンキーは不要.使わないし,ブラインドもできないので.サイズが大きくなるだけ.
無線.できれば,USB ポートを節約するために Bluetooth.
タッチパッドを使うことが習慣化しているので,できれば付いていて欲しい.

タッチパッド付に絞ると,Bluetooth でキー配列に不満がないものがどうしても見つからず.
泣く泣くタッチパッドを諦める.

折角の Bluetooth ならマルチペアリングができるもの.
この時点で Logicool の 2 点「K810」「K380」に絞られた.

両者に共通の仕様.
Bluetooth 3.0 Class2.3 台までのマルチペアリングが可能.
アイソレーション設計.
キートップは中央へと指に馴染むような緩いカーブを描く(ファンクションキー列とスペースキー列は,中央のほうが膨らむ逆カーブ).

電源は,K380 が単 4 乾電池×2 で,最大 2 年.
K810 はバッテリ内蔵,3 時間でフル充電.1 日 2 時間の使用で公称 10 日.つまりは 20 時間?
寝てるあいだに充電して,日中使用なら運用上は問題ないが.
毎日充電しなければならないようでは,付属の有線接続用ケーブルを常に机上に強いられる.
いまひとつかと思いきや,10 日というのは,バックライトを最大輝度で使用し続けた場合の話.
ライトをオフれば最長 1 年使えるとのことで不満はない.
(2016/09/30 追記)
フル充電の状態から使い始めて,約 8 ヵ月で充電催促の赤ランプが点灯.
バックライトはオフにして,使わないときは小まめに電源を切ってました.
1 年には満たなかったものの,1 日 2 時間以上は使ってきたと思うので,十分な性能と言えそう.
(2017/10/03 追記)
二度目の充電切れ.今回は 1 年使い続けられた.

対応 OS / キー配列は K810 が Windows / 日本語.
英語配列が使いたい人は Mac OS 用の「K811」もあるが,国内で新品はもう入手困難.
(ただし,K811 は Windows でもデバイス認識はされるものの,専用の設定ユーティリティ「SetPoint」は K811 向けには Mac 版しかなく,K810 用の Windows 版からは認識されないらしい)

K380 は Windows/Mac OS 両対応で,配列は OS によって日英自動認識?
少なくともキートップの刻印は,OS/配列ともどちらにも対応できるように両方刷られている.
Windows で英語キーボードとして使えるかは不明.

一方,K810 はひらがなが刷られていないのも特徴.
目視でかな入力する人でない限り,すっきりしていて良い.
バックライトで文字が透ける仕掛けなので,経年劣化で印字が剥げる心配もない.

K810 は 2013/02/15 発売.実勢価格 10,500 円程度.キーピッチは XPS13 と同じ 19mm.ストロークは 2mm.
K380 は 2015/11/05.4,000 円弱.18mm/1.5mm とひと回り小さい.
大きく違うのが見た目.K380 は往年のタイプライターを彷彿させる丸型のキーを採用.好みが分かれる.

カラーリングは,K810 は黒を基調としたアルミボディのもののみ.
K380は無難な艶消しの黒なのだが.
ペアリング用の Bluetooth ボタンがやたら主張の強すぎる黄色でいまひとつ.
カラーバリエーションとして青と赤もあり,こちらは同系色でまとめられているものの.
赤はなんかヤな感じのワインレッド? 青もちょっと微妙.

性能差.
K810 には,売りにしているバックライト機能,K380 より 1 年長い 3 年保証.
ほかには内蔵バッテリと有線接続用のケーブルが付いているとはいえ.
2 年以上後発の K380 よりも 6.5K 以上高い.バックライトはバッテリを長持ちさせるためにはむしろ使わないしな.
K380 は Mac OS にも対応しているし.

さんざん悩んだ挙句,結局は色とキーピッチ・ストロークが決め手となって K810 に軍配.


ここからは実際に K810 を使ってみた感想.

まずは外観などのぱっと見の特徴.
アルミに覆われたキーボード面は冬場だとひんやり冷たいくらい.
ファンクションキー部はいわゆるピアノブラック.指紋が目立ちそう.
傾斜はほとんどない.「傾きが足りねぇ!」という人は 100 円ショップでゴム足でも調達しましょう.
一応,裏には四隅にゴム足が付いてるが,ほとんど床にべったりな状態.
排気口とかは特に無いので問題はないが,埃っぽい場所に迂闊に置くと埃をばっちり吸着するので注意.
側面は右(BackSpace の横辺り)にスライド式の電源ボタン,背面(F11 の上辺り)に Micro-USB ポートのみ(付属ケーブルとの有線接続用)というシンプルな造り.ペアリング用の Connect ボタンは底面(電源ボタン近く).

内蔵のリチウムイオンバッテリはユーザが簡単にアクセスできるようにはなってない.
取説にも,廃棄する時にほぼ全解体して取り出す方法しか載ってない.
別売りもされていないようだし,バッテリの寿命=キーボードの寿命と思っておいたほうがいいかも.
もちろん有線で使い続けることはできるだろううが,その前にキーとか外れて物理的に壊れそう.
3 年の保証いっぱい使い切れば,月当たり 300 円もしない計算なので,まあ妥当か.
ちなみに有線で使う場合,充電中は状態表示 LED がゆっくりと緑に点滅を続け,フル充電されるまでは消灯しない.
この LED は充電具合の確認用も兼ねていて,電源を入れたとき充電が十分なら緑に,充電が必要なら赤に数秒点灯する.
LED はほかには,ペアリングボタンも兼ねている F1~F3 の上にインジケータがみっつ(ペアリング中や接続切替時に発光).

有線ケーブルは USB バスパワーによる K810 への給電用で,K810 からのデータ通信には対応しない.
よって,ペアリングしてないデバイスやペアリング済みでも Bluetooth をオフにしたデバイスに有線で繋いでも K810 を使うことはできない(充電されるのみ).
有線接続中でも,あくまでタイピングしたデータは Bluetooth を利用して送信される.
なので,自作 PC に OS をインストールして,Bluetooth スタック(後述)を準備するまでの作業には K810 を使用したりはできないので注意.

あとは使い心地(主にダメ出し)と不具合レポート.

バックライトの自動調整機能.
初期状態では,周囲の明るさに応じて光量を自動調整(バッテリ残量が少なくなると自動でオフ).
バッテリの消費を抑えるため,常時オフにしておきたい.
ところが手動でオフっても,2 時間以上放置するか電源を入れ直すと初期状態に戻ってしまう.

ファンクションキー (F1~F12) がデフォルトだと Fn キーと同時押し.
Logicool のマウス・キーボード用のユーティリティ「SetPoint」で設定は変更可能.

F12 より右のキーが省略されすぎ.Print Screen と Delete しかない.
削られているキーをふだん使わない人には問題ないかと思う? いやいや.
余裕ができたぶん,ファンクションキーが全体的に右方向に間延びした配置になってる.
このサイズのキーボードだと 9/0/- の上辺りが F10/F11/F12 になることが多いかと思うが,K810 だと F9/F10/F11.
丁度ひとつぶん右にずれた形.ブラインドで Lineage の SC を使おうと手を伸ばすと見事に誤爆する.

ほかは特に打ちづらいようなキーは無い.打鍵感も含め概ね良好.

で,これは明らかな不具合ぽいんだが.
「F1~F3 を何秒か押し続けると,ペアリングモードに入る」.
【設定編 1】で触れたように,自分は F1~F8 に F5~F12 を割り当てて,Lineage の SC を物理的に左にずらしてあって,最も押し易い F2/F3 に POT が設定してある.
お気づきでしょう.POT 連打でこの不具合が反応するんです.
そうなったところで,Class2 で通信距離は 10m 程度しかないので突然,誰かが部屋に入って来て,
「やあ,ちょっとペアリングさせてもらうよ」とかないかぎり,制御を奪われることもないわけですが.
POT 連打しなきゃならないような状況で,手許で状態表示 LED が忙しく青く明滅しているのは精神衛生的に宜しくない.
仕様のどこにも書かれていない動作だし,落ち着いたらメーカーに問い合わせてみよう.

ちなみに即応性は悪くない.迅速 POT を F キー押しっぱで連続使用してもちゃんとついてきてる感じ.

あとね,やっぱり慣れ親しんできた人にはタッチパッドは無いと不便.
ノートのキーボードには触れることが減ったが結局,PC 本体のタッチパッドは使ってる.
Bluetooth 接続の単品があったら買ってしまうかも.

以上がとりあえずメイン機の XPS13 に繋いで使ってみた印象.
で,実はここからが悪戦苦闘の始まり.

折角のマルチペアリング対応.先代の Vista PC(瀕死)にも繋げてみよう.

型がちょっとばかし古く,Bluetooth 内蔵ではないので.
以前買ってあった Bluetooth アダプタ(USB ドングル) を使ってみる.
BUFFALO の「BSHSBD04BK」.
Bluetooth Ver.3.0+EDR.Class2 なので K810 同様,こちらも通信距離は 10m 程度まで.

スタックは Motorola 製.
スタックってなんぞ? という方はまずは次を一読.

用語集/スタック](Bluetooth Maniax Wiki Database)

で,スタックをインストールしてペアリングを試す.
はい,できませんでした.
専用のスタックだと言うのに,ペアリングに失敗する.
Connect しようとして,K810 を検出するまでは問題なし.
ところが,ペアリングしてみると PC 側では成功したと表示されるものの.
K810 側ではペアリング待ちの状態が続いていて,そのうち待機時間切れ.
タイプしてももちろん反応はなく,実際にはペアリングできてない.
PC 側ではできてることになってて,ペアリング解除の操作も実行できる.

純正スタックでこれ?
同じ BUFFALO のマウス「BSMBB17」はさすがに問題なく使えてるんだけどね.
仕方ないのでぐぐって,定評のあるらしい東芝のスタックに入れ替えてみた.
成功.
しかし,残念ながら東芝のスタックは認可された Bluetooth モジュールに対してでないと,30 日の評価版としてしか動作しない.
単体では販売もされていないので,東芝の PC を買うか,東芝製スタックを採用している Bluetooth アダプタを使うしかない.
とりあえず,キーボード側の初期不良ではないことを確認する程度には使えますが.

ダウンロード:[Bluetooth Stack for Windows by Toshiba](東芝 dynabook.com)

専用の USB ドングルと接続する 2.4GHz 無線と違って,Bluetooth の接続問題ははまりがちな罠らしい.
ペアリングもだが,接続したあと十分な性能(例えば,スピーカーなら音切れしないか等)が出るかとかね.
Bluetooth モジュールがどこ製かとか接続する機器がどこのメーカーかとかより,スタックの性能が大きく左右するようです.

試用期間が切れるまでに別のスタックを捜さないとなあ.
K810 がきちんと動作する大前提で,フリーで使える良質なスタックがあれば,情報を下さい.
ちなみにスタックはやろうと思えば複数共存させることも可能みたいだが,CSR (Cambridge Silicon Radio) 社のスタックが入っていると認証されたアダプタ以外は一切使えなくなるとか.

どこのスタックがどのドングルに採用されているかは,次の記事が詳しく解説してくれてます.

Bluetooth を極める(USBドングル)](gomezpeer.info の別室)

補足しておきますと,「XPS 13」内蔵のモジュールのほうは Broadcom 製でした.スタックも.

さて,とりあえず繋がったわけですが.すぐにも新たな問題が発生.

「SetPoint に K810 が反映されてない」.

調べてみるとこんな記事が.

K810買った](閑居静思)

要約すると「設定ファイルを修正して,ドライバを更新する」必要があるらしい.

以下,手順.

SetPoint がインストールされているフォルダ「C:\Program Files\Common Files\LogiShrd\CDDRV3」でコンテンツ(中身)に「B319」を含むファイルを検索.

4 ファイル (Jfhidhid.inf,Jfkbdhid.inf,Lfhidhid.inf,Lfkbdhid.inf) が見つかる.
このうち修正が必要なのは「Jf」で始まる二つのファイル.
(英語配列の K811 を日本語配列の K810 にローカライズする際に追加された設定ファイルぽい)

テキストエディタで開き,以下の修正をそれぞれ加えて保存する.

[Jfhidhid.inf]
%HIDCompliantUnifyingCCKeys% = HIDFiltInstHIDC,HID\{00001124-0000-1000-8000-00805f9b34fb}_VID&0002046d_PID&B319&Col02 ; cc
上の行(「;Microsoft Non host connectable keyboards」のコメント下あたり)の次に以下の行を追加.
%HIDCompliantUnifyingCCKeys% = HIDFiltInstHIDC,HID\{00001124-0000-1000-8000-00805f9b34fb}&VID_046D&PID_B319&Col02 ; cc

[Jfkbdhid.inf]
%LogiHIDKeyboard% = HIDFiltInstLEDFix,HID\{00001124-0000-1000-8000-00805f9b34fb}_VID&0002046d_PID&B319&Col01
上の行(「;Microsoft Host Connectable keyboards」のコメント下あたり)の次に以下の行を追加.
%LogiHIDKeyboard% = HIDFiltInstLEDFix,HID\{00001124-0000-1000-8000-00805f9b34fb}&VID_046D&PID_B319&Col01
 
註)赤字部分「LEDFix」は実際のファイルには書かれていない.
引用元のフォーラム(英語)の書き込みが間違っているのか,設定ファイル自体の記述ミスか不明.

なお,書き込みをブロックされた場合は,ファイルのプロパティでアクセス許可を変更.

自分の環境ではここで PC を再起動したら,以下は必要なかった(ドライバの更新で,最新だと言われた).

デバイス マネージャ (devmgmt.msc) から「HID(ヒューマン インターフェイス デバイス)」配下の「HID-compliant consumer control device(HID 準拠コンシューマ制御デバイス)」のプロパティを開く.

Device Manager

同プロパティの「詳細」タブで「ハードウェア ID」に「VID_046D&PID_B319&Col02」が含まれていることを確認.

Property of HID-Compliant consumer control device

ドライバの更新を実行.
ドライバ ソフトウェアの手動検索場所に上と同じフォルダ「C:\Program Files\Common Files\LogiShrd\CDDRV3」を指定.
更新中,電子署名に関する警告が出た場合でも無視してインストール続行.

引き続きデバイス マネージャで「キーボード」配下の「Logicool HID-Compliant Keyboard」のプロパティを開く.
同プロパティの「詳細」タブで「ハードウェア ID」に「VID_046D&PID_B319&Col01」が含まれていることを確認したら,同様の手順でドライバを更新.

最後に「SetPoint の設定」画面を呼び出し.
「マイ キーボード」のタブが追加されて「Illuminated Keyboard K810」が表示されていれば完了.


おまけ.
「英語配列がええんじゃ~」という人に朗報.
K811 で F キーの機能を入れ替えるフリーソフトを作って下さった神がいるので,下記を参照.

Logicool Bluetooth Easy-Switch Keyboard K811をWindowsで使ってみた](PlumTheGoodmanのブログ)

あくまで F キーの動作を反転させるだけのシンプルなもので,SetPoint ほど細かい設定はできないので留意.
ちなみにこの設定ですがキーボード本体に記憶され,SetPoint が入っていないデバイスに接続した場合,最後の設定が維持される.

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